食生活の変化だって強いストレス!〜2/16「OYAOYA?『ふたりで育児』始めの一歩」開催レポート

2/16(木)高田馬場にて「OYAOYA?『ふたりで育児』始めの一歩」を開催しました。風邪の時期ですからキャンセルありつつもご参加の皆さん全員が0〜1歳代の赤ちゃん連れのご参加で、和やかに進行しました。

女性に起きる産前産後の変化、その重さと、それに伴うふたりのずれの構造を、データや事例で概観したあと、皆さん自身の産前と産後について、整理してもらいました。個人で書き出した後に発表してもらう中で、「これがとにかくつらい」「そういえばこんなことはよかった」という気づきもあれば、「あぁそれ私もそうだなぁ」という他の人の話で共有できるようなことも出てきてます。それぞれが負担に感じることの種類の違いと、共通する変化と両方が見えてきました。

食生活の変化だって強いストレスだ!〜2/16「OYAOYA?『ふたりで育児』始めの一歩」開催レポート

食生活の大変化ってけっこうストレス

食生活って、たいしたことないように思ってしまいがちですが、食生活を外的な要因で変化させなければいけないのって結構なストレスだったりします。例えば今回話題にあがったものでも、

・お酒飲むのが好きだったのに飲めなくなった(夜の会もなし)
・コーヒーが飲めない!
・母乳によくないと言われるものを我慢しなければ……
・添加物をものすごく気にするようになった
・好き勝手に飲み食いできたのに、食べること自体に「ちゃんとしたものを」というプレッシャーがある
・食べ物のことばかり考えている気がする(授乳中ってとってもお腹がすきますよね!)

という自分自身の食生活に関することがいろいろ上がりました。これ、たいしたことないようで、1日3食、朝晩の習慣の嗜好品の習慣が変わるというのは、けっこうな負担です。自分の摂取するものが、授乳を通して子どもに伝わるというイメージが「ちゃんとしなければ」につながって、ママ達は食生活を必死にコントロールしています。理屈では気にしすぎないくていいとわかっていても、なんだかやっぱり気になってしまう、という気持ちの負担もあります。

そして、自分自身の食生活だけでもけっこうなストレスなのに、家族のための食事の準備がまた負担。離乳食〜幼児食に移行すれば、食事が終わったら次の食事のことを考えなければならない感じです。育児に追われる中で子ども以外(つまり夫)の食事を作るのも、特に料理好き出ない人にとっては実はかなりの負担なものです。

・一日中食事を作り続けている感じ
・手抜き料理をしづらい(子どもにしたくない/夫がいやがりそう)

という声も実際聞こえてきました。

2/16「OYAOYA?『ふたりで育児』始めの一歩」開催レポート

お酒、コーヒー、タバコ、やめられますか?

男性の皆さん、ある日突然、自分が大好きなお酒、コーヒー、タバコ類を、全部せーの、でやめたところを想像してみてください。夜の飲み会、朝のほっと一息リラックスタイム、全て取り上げられて、一日三食常に健康を考えた食事を取るプレッシャーを自分と子どもや家族に持ち……。どうでしょう、結構なストレスですよね。

ママの産後は、食生活だけを切り取ってもこれ全てが起きています。他の変化ももちろん大量にあります。

そして、ママがこうした制限を当たり前に「好んで」やっているように見えるかもしれませんが、子どもをメインでケアして子どもに母乳を与えているから「仕方ない」というかなり消極的な側面があることを忘れないでください。本当はお酒もコーヒーもガブガブ飲みたいけれど、それが、身体的にも時間的にもできない状況に追いやられているわけです。

こういう状況のママにしてみれば、パパが嗜好品ひとつに手を出すだけで、相当な特権に思えるものです。嗜好品を全部やめて、ようやく同じスタート地点に立ってくれた……と思えるくらい。

ただ、個々にかかえる事情は様々です。実際にパパがどこまで我慢するか、ということよりも、そのママの状況のストレスの大きさを、パパがまじめに本気で重く受け止めているか、ということが重要です。「食生活の変化くらいたいしたことない」と思っているとしたら、その「軽視」そのものが、最もママにはつらい「感覚のズレ」、「通じない感じ」、だといえます。

変化の重さを共有

変化の重さをパパに共有してもらうことは、大切な一歩です。

「大変なんだからもっとあなたもやってよ!」というのはママの表面的な部分。

「なんで私だけこんなに全て変わっちゃって大変な思いをしているんだろう……あなたはあまり変わらない生活をしているように見えるのに……」というのがママのもやもやの源泉です。

食生活についてしか触れていませんが、もちろん実際にはもっと様々な変化と今の複雑な気持ちについて話題にのぼりました。
そこをパートナーが、ベースで共有してくれることが安心感と安定感につながるので、まずは、「自分の激変」をパートナーに知ってもらうことから始める。そんなはじめの一歩の整理の時間でした。

さらに、コミュニケーションの共通軸をもつためのヒントと整理もして、終わりました。

育休復帰/復帰かも……を前に、具体的な共有のコツを探していらっしゃる方も多いのですが、それはご参加の皆さん同士でアイディアが飛び交って、「こんなやり方をしたら効果があった!」「食材はいろいろ試したけれど○○がおすすめ!」などなどそれぞれ沢山の実例をお持ちで、自然と情報共有する場にもなりました。

子ども達も、長い時間よくがんばって付き合ってくれました!

2/16「OYAOYA?『ふたりで育児』始めの一歩」開催レポート

ご参加の皆さんからは、第三者的視点で整理できてよかった、他の方の話が聞けてよかった、いい気づきになった、などの感想をいただきました。

皆さんの育児生活が一歩でも楽になりますように!!

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狩野 さやか

早稲田大学卒。株式会社Studio947のデザイナーとしてウェブやアプリの制作に携わる一方、子育て分野を中心にコラムを執筆。patomatoを運営してワークショップや両親学級講師などを行なっている。著書に「ふたりは同時に親になる 産後の『ずれ』の処方箋」。 → 狩野さやかMAMApicks連載コラム一覧

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