「OYAOYA?」産後のもやもや大整理!(11/5)/開催レポート

秋らしい1日になった11/5(木)、「OYAOYA?」産後のもやもや大整理!を開催しました。

20151105「OYAOYA?」開催レポートワークではみなさんの産前産後を振り返っていただき、少し丁寧に見ていきました。家の中だけの変化にとどまらず、興味や世の中のものの見え方、交友関係、ファッション、仕事への価値観など、多くの分野で大きく変化したことがみなさんのお話から見えてきます。その変化をどのようにとらえるか、妻・夫それぞれの立ち位置はどれに該当するかなど、見ていきました。ご自身がどこに位置するのかを整理してイメージを持つのは大切です。

下がった愛情の先にあるものは?

今回、「下降していった愛情グラフはあの先、どうなるんだろう」というお話しが出ました。確かにその通り。第一子妊娠期からスタートして2歳までの「夫婦の愛情が下がっていく」調査データをお見せしているのですが、さらにその先、歳を重ねて5年、10年後はどうなっていくのでしょうか。

「OYAOYA?」ではなぜこの時期、グラフは下降していくのか?に注目しています。その構造を知っておくことで回避する対策がとれたり、少なくとも夫婦でコミュニケーションする際に共通の土壌を持つきっかけになると考えるからです。

でも、とっくにそのクライシスにどっぷりつかって自分なりに這い上がったり、這い上がれなかったりしている方がたくさんいるというのが実状。

「諦める」は「解決方法」ではない

今回も少し出たお話しですが、これまである程度共通して印象的なのは、産後2〜3年経ている方の中には、この「産後クライシス」を経て、すでに「夫にわかってもらうことを諦める」という方向性で気持ちの落とし所を見出している方もけっこういる、ということです。お互いが変化することやコミュニケーションを諦めざるをえず、むしろ「夫がいないことを前提としてしまった方が楽」という心の解決策は、試行錯誤して苦しんでそこに至った方にとっては、大切な結論で気持ちの安定する拠り所です。それ自体を否定するのは筋違いでしょう。

ただ、これから「クライシス期」に突入しようとする人や突入してしまったばかりの人が、その、「夫に期待しない」という一瞬「かっこよく」聞こえるかもしれない結論だけを、手法として採用するのは性急です。ふたりは素人同士、ゼロから同時に親になるのであって、どっちもドタバタわからないことだらけで慌てふためきそれぞれが変わって育児に対応/順応していけばいいはずです。現状に照らせば、男性にはもっと本気で変わってほしいし、女性には気づいていない既成概念から解き放たれてほしい。

誰かの「諦める」が解決策に聞こえたとしても、それは十人十色の事情とストーリーがあってようやく至った結論、そして一時的な状態として捉えた方がよいと思います。

もし、この先一生「諦める」ままだとしたら、長い人生これから子どもが介在しなくなった後も一緒にやっていく相棒としては、ちょっと残念だしつらい。でも、多くの場合一旦「諦めの境地」に達したとしても、一旦「顔も見たくない」と思う日々が続いたとしても、お互いが変われば関係も変わっていく。一生かけて関係は変わりつづけるものかな、と思うのです。もちろんどちらかに極端に明らかな問題があったり、どちらかが変わることを拒否して限界が来れば、修復不能な状況も起こりうるわけですが……。

さて、妊娠期から第一子年齢2歳くらいまでかけて一旦愛情が下降した経験をお持ちの皆さん、第一子年齢3歳、4歳、5歳、さらにその先を迎えて、どんな変化があったでしょうか? ストーリーを、お寄せいただけたらうれしいです。
hello@patomato.com

「IDOBATA!」と違い「OYAOYA?」は基本的なワークとストーリー展開は同じ内容で毎回やってきています。それにもかかわらず毎回出席する方のお話によって、トーンや話題の中心になることが全く変わってくるのは本当に面白いことだと感じます。そして今回お子さんたちふたりも一緒に参加しましたが、よくがんばって最後までつきあってくれました!

ふたりは同時に親になる産後のずれの処方箋

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狩野 さやか

早稲田大学卒。株式会社Studio947のデザイナーとしてウェブやアプリの制作に携わる一方、子育て分野を中心にコラムを執筆。patomatoを運営してワークショップや両親学級講師などを行なっている。著書に「ふたりは同時に親になる 産後の『ずれ』の処方箋」。 → 狩野さやかMAMApicks連載コラム一覧

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