2024年版のジェンダーギャップ指数が発表〜「政治」「経済」分野の達成度の低さが継続

2024年版のジェンダーギャップ指数が世界経済フォーラムより発表されました。
総合の順位が少し上がりましたが146カ国中118位でG7では飛び抜けて最下位です。


2024年 ジェンダーギャップレポート(世界経済フォーラム)より日本の結果

ジェンダーギャップは4分野で見るのですが、「教育」(平等度スコア99.3%)「健康」(スコア97.3%)分野は上位の達成率を保っていますが、「政治」(スコア11.8%)が113位「経済」が(スコア56.8%)が120位と足を引っ張って、毎回総合下位という結果を続けています。

教育がどんなに平等度を達成していても、その子供達が出ていく社会の側(政治分野、経済分野)は何も変わっていない、壁となって待ち受けている……という構造を、いまだに変えられていません。

日本にいれば、日本の状況を当たり前と思ってしまいがちですが、日本の政治分野(Political Empowerment)と経済分野(Economic Participation and Opportunity)の平等度が、世界に対して非常に遅れています。政治の場に女性の姿が少ないことや、仕事における男女の賃金、待遇の格差は当たり前ではありません。

この背景に、子育てに伴うケア労働が女性に偏っていることがあるのは確実です。日本の社会システム(税制等)は今でも「大黒柱&専業主婦モデル」向けの仕組みが多く、そこに根ざす企業の習慣や人の常識感も、なかなか変化しません。
ケア労働を男女とも等しく引き受けた上で成り立つような社会の仕組みと常識観を作っていく必要があるのだと思います。

元データのレポートはこちらのページからウェブ上でもPDFでも見ることができます。
「Global Gender Gap Report 2024」(世界経済フォーラム)
(PDFの報告書の場合、219〜220ページに日本の詳細結果があります。)

ジェンダーギャップ指数についての解説つきの記事もひとつ紹介しますので詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。
「【ジェンダーギャップ指数】日本、2024年は世界118位で低迷続く 政治・経済に課題」(朝日新聞SDGs ACTION!)

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狩野 さやか

早稲田大学卒。株式会社Studio947のデザイナーとしてウェブやアプリの制作に携わる一方、子育て分野を中心にコラムを執筆。patomatoを運営してワークショップや両親学級講師などを行なっている。著書に「ふたりは同時に親になる 産後の『ずれ』の処方箋」。 → 狩野さやかMAMApicks連載コラム一覧

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