中学生の固定的性別分担意識、知ってますか?

今どきの子どもたちの方が、「男はこう」「女はこう」というイメージから自由なのでは?という印象、持っている方多いのではないでしょうか。私もそんな期待を持っていました。ところが、意外とそうでもないのです。

新宿区の男女共同参画課では、「男女共同参画に関する区民・中学生・企業・従業員の意識・実態調査」を行い結果を公開しています。

それによると、固定的性別役割分担意識について調べている問いで、中学生の結果が、大人とさほど違いがなかったのです。

こちらが大人の調査の結果
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こちらが中学生調査の結果です

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これは意外でした。

さらに男女の地位が平等になっていると思うかという問いがあります。大人の場合を先に見ておきましょう。経年比較で出ているのでそのまま。

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次に中学生の場合がこちら。

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中学生の場合、「学校」と「家庭」では平等だと思っている率が高く、7割、6割を占めるのに、「社会」となると急に平等だと思う率が38パーセント台に下がります。

学校での扱いを平等と感じながら一方で社会に出たら平等じゃないとすでに感じているというのは現実が見えているからこそなのかもしれませんが、そこで、子どもたちが「仕方ない」と思うのではいけないのではないかな、と感じます。

「学校」で平等を感じている割合が多い一方で「社会」での不平等を同時に見ているというのは、思慮深いのか諦観なのかわかりませんが、この落差を現実として子どもが見ているということを、大人は知っておいた方がよいのではないかと思います。

子どもにとっては、家の中の目の前の母親、父親イメージがまず大人になった男女の働き方や役割の第一のモデルになるでしょう。それは反面教師的かもしれないし憧れかもしれないし人によって様々でしょう。親が全てである必要は無いので親の影響を取り立ててどうこういうのは限界があります。

むしろ、大人の働き方、女性と男性の生き方や働き方の多様さが、家庭でしか見られないのではなく、もっと小さいうちにいろいろな人がいていろいろな働き方、生き方があることにたくさん触れられたらいいのに、と感じます。

小学生や中学生の段階で、男女の性別を意識する頃にこそ、男女共同参画の切り口で、男の役割/女の役割と思い込んでいるものをもっと自由にとらえられるような取り組みができたらいいのではないでしょうか。

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狩野 さやか

早稲田大学卒。株式会社Studio947のデザイナーとしてウェブやアプリの制作に携わる一方、子育て分野を中心にコラムを執筆。patomatoを運営してワークショップや両親学級講師などを行なっている。著書に「ふたりは同時に親になる 産後の『ずれ』の処方箋」。 → 狩野さやかMAMApicks連載コラム一覧

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